30 3月

「歳重ね童心に立ち返る」

ある山里に行くようになり、はじめは話をすることもなく、互いにすれちがいが多く、挨拶すらすることがなかった私とMさんがいた。
何がきっかけだったのか忘れたが、いつの間にか、周囲の環境のことや、鹿やイノシシによる作物の被害の話をしてくれるようになっていた。
先日、自分が所有する山の間伐をした木を「薪ストーブに使う木が必要なら、切った木を積んで置くからいくらでも持っていきな。あげるよ。」と、声をかけてくれた。その他に、外者の私をうけいれてくれるようなことをしてくれる。この世知辛い小宇宙で、この体験が私の心の傷と傷、歴史の傷と傷を縫い合わせてくれることになる。
このMさんは、今、童心にかえったかのように、木と木の上の方の隙間を利用して小さなハウス、つまり、ツリーハウスを制作中である。それに加えて、ブランコや溜め池を利用した釣り堀も制作中である。
自然の中で子供たちが遊べるところを創造して楽しんでいるMさんの姿から、私も童心に立ち返りたいと心がふるえ燃え上がる。
歳重ねて、童心に立ち返る姿に人間としての心を学ぶ我ここにあり。